教員紹介

Profile

野口 華世
教授
野口 華世
NOGUCHI Hanayo
心理・人間文化コース教授。東京都立大学人文科学研究科博士課程満期退学。博士(史学)。日本歴史学協会個人委員、前橋市教育委員会外部評価委員、前橋市文化財調査委員、前橋市景観審議会委員、まえばし市民提案型パートナーシップ事業審査委員会委員、伊勢崎市史編さん専門委員、群馬歴史資料継承ネットワーク副代表など。
お茶の水女子大学附属高等学校教諭・東京大学史料編纂所特任研究員などを経て、2012年4月に共愛学園前橋国際大学に着任。専門は日本中世史。平安末期~鎌倉期における天皇家とその女性たち、そしてそれらを取り巻く貴族社会についての研究。共編著『鎌倉北条氏の女性ネットワーク』(小径社、2023年)・『増補改訂新版 日本中世史入門―論文を書こう―』(勉誠出版、2021年)、共著『恋する日本史』(吉川弘文館、2021年)ほか。

学生へメッセージ

群馬の著名な史跡である新田荘や淵名荘・女堀についての研究をする時には、地域の方々にいろいろなことを教えていただきます。昔の地名やため池の場所などをうかがうことは、研究の進展につながります。
また、地域の歴史を守っていくために地域の方々と連携していくこともあります。2016年度から実施している前橋市東上野町公民館での所蔵文書の整理作業には、地域の方々や市の職員、県の専門職員、そして本学の学生や高校生たちも参加しています。東上野町は大学からも近く、江戸時代には上野村と呼ばれていたところです。整理作業を通じて、東上野という地区のルーツや、文書を守っていくことの大切さを学ぶことができます。現代とのつながりを感じることも多々あります。整理作業の成果は、2016年度から毎年開催している古文書講座で地域の方々にも共有しています。この古文書講座には本学の学生や高校生も参加してくれています。
大学周辺の歴史としては、石造物調査も実施しています。学生が実際に拓本を採るなど、地域の歴史解明に一役買っています。
その他、国指定遺跡女堀については、前橋市史跡女堀整備検討委員をつとめたり、富岡製糸場とともに世界遺産に登録された現伊勢崎市島村の田島弥平旧宅に関わる講習を実施するなど、様々な地域の方々と多くの連携をさせていただいています。そしてこのような連携の場はそのまま学生のみなさんの学びの場ともなっています。歴史学は実際に現地に行ってみる、ということも大事な学問です。3年生からのゼミ(課題演習・卒業研究)でもこの点を重視して史跡見学会や史跡見学旅行などは毎年実施しています。本学は実践的な歴史学を学べるところでもありますよ。

研究内容について

私の専門は歴史学(日本史)です。特に研究対象としているのは、平安中期から創出された後宮の地位、「女院」についてです。さらに、その女院が所持していた荘園の研究も行っています。
これらの研究は、実はここ群馬とも深く関わります。それは、現在の太田市に広がっていた新田荘や、伊勢崎市の東半分を占めた淵名荘という荘園が、天皇家の荘園だったからです。大学の近くにある遺跡や荘園跡が、京都にいた天皇家や女院たちとつながっていたと考えると、なんだかワクワクしませんか?
また、女院の周りにいた人々にも関心があります。人と人とのつながりは、800年以上前の社会でもとても大切だったことが、研究によって見えてきます。
歴史学であっても現代とつながっていることをいつも意識します。みなさん一人一人も歴史をつくっていく存在で、歴史の主人公でもあります。
ぜひ一緒に学んで、ともに未来の歴史をつくっていきましょう。

担当科目

群馬の産業と社会(前近代) 群馬の産業と社会(近代) 地域史研究 人間を考える ボランティア実習 GlocalSeminar I・II 基礎演習 I・II 課題演習 I・II 卒業研究

所属する機構/コースの教員一覧

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