教員紹介

Profile

桂   聖
准教授
桂 聖
KATSURA Satoshi
児童教育コース准教授。山口大学教育学部卒業、放送大学大学院修了、早稲田大学大学院博士後期課程退学。修士(学術)。山口県公立小教諭、山口大学教育学部附属山口小教諭、広島大学附属小教諭、東京学芸大学附属小金井小教諭、筑波大学附属小教諭を経て、2024年4月本学に着任。一般社団法人日本授業UD学会理事長、光村図書『国語教科書』編集委員、小学館『例解学習国語辞典』編集委員、月刊誌『教育研究』元編集長など務める。

学生へメッセージ

いま、日本の教育は危機的状況です。全国各地で教師不足。これまでにない大問題です。
しかし、私にとっての教師の仕事は、とてもやりがいのある仕事でした。山口県公立小学校の教師としてスタートして以来、毎日、笑顔の子どもたちと一緒に、授業や生活をどっぷり楽しんできました。「えっ、こんな解釈もできるのか!」と子どもたちの考えに驚いたり、「モジモジしていたあの子が、堂々と表現できるようになったなあ!」と子どもたちの成長に感心したり。
確かに、教師の仕事は大変なことも多いです。でも、子どもたちと一緒に過ごすのは「とてつもなく楽しい時間」です。教師を目指す学生のみなさんにも、その楽しさをぜひ味わってほしいと願っています。
そのためには、「高度な授業実践力を身につけること」が不可欠です。私の専門で言えば、まずは「国語科の本質」を深く理解する。そして、子ども一人一人の「多様な学び方」を理解した上で、全ての子が楽しく学び合い「わかる・できる・探究する」ことを目指す国語科授業を実践できる専門的な力量が必要です。
私が初任者の教師だった頃、一番難しく感じたのは国語の授業でした。授業では、子どもたちは死んだ魚の目にようになっていきました。国語科の授業実践力が不足していたのです。このままではいけないと思い、一念発起をして国語科の授業実践力を探究し続け、現在に至るというわけです。
あなたも、本学での学びをきっかけにして、国語科に必要な高度な授業実践力を探究してみませんか。国語科の面白さや奥深さを感じて、その後の教師人生においても、子どもたちと一緒に国語の授業を楽しんでいけるでしょう。
いま、日本の教育はピンチです。でも、チャンスもあるはず。私は、国語科の授業改善を出発点として「前橋から日本の教育を元気にする」ことに挑戦したいと思います。あなたの挑戦もお待ちしています。

研究内容について

私の専門は、国語科教育です。その中でも、国語科における「授業UD」(授業のユニバーサルデザイン)や「UDL」(Universal Design for Learning:学びのユニバーサルデザイン)に関する研究をしています。
授業UDとは、発達障害の可能性がある子を含めて、全ての子が楽しく学び合い「わかる・できる・探究する」ことを目指す通常学級の授業デザインです。
文部科学省の調査(2022年)では、通常学級に在籍する小中学生の8.8%に、学習面や行動面で著しい困難を示す発達障害の可能性があることが明らかになりました。35人学級であれば3人ほどの割合。いま、学校現場では、発達障害の可能性のある子を含めて「全員参加」の授業を行うことは重要な課題です。
米国では、日本発の授業UDに先駆けて、UDLが実践されてきています。UDLとは、障害の有無にかかわらず、すべての学習者の学びを助けるための概念的フレームワーク。米国の研究団体CAST(Center Applied Special Technology)が提唱したものです。
授業UDもUDLも、発達障害の可能性のある子を含めて、全ての子の「多様な学び方」が活きる授業を目指しています。「自立した学習者」を育てていくには、日本発の授業UDに加えて、米国発のUDLの視点を取り入れて国語科の授業改善を行う必要があります。
あなたも、授業UDやUDLの考え方を生かした「全員参加」の国語科授業について探究してみませんか。

担当科目

初等国語概説(書写を含む) 初等国語科教育法(書写を含む) 初等国語授業デザイン 教育のユニバーサルデザイン 教育実習事前事後指導(初等) 教育実習(初等) 学校フィールド学習 A・B 教職実践演習 Glocal Seminar I・II 基礎演習 I・II 課題演習 I・II 卒業研究

所属する機構/コースの教員一覧

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