Profile

教授
杉沢 一美
SUGISAWA Kazumi
情報・経営コース教授。名古屋大学大学院経済学研究科単位取得退学。経済学修士(名古屋大学)。名古屋大学経済学部助手を経て、共愛学園前橋国際大学に着任。現在は、経済・金融のリテラシー教育を中心に取り組む。
研究内容について
金融リテラシーというのは、生活にかかわるお金の基礎知識のことです。たとえば、国民年金とは何か、将来のための貯蓄をどうすべきか、といったことが含まれています。私は経済や金融の入門的授業を担当していますが、その一つがこの金融リテラシーの授業です。
金融リテラシーは経済学の範囲に入りますが、ただし経済学で説明できない部分があります。というのは、経済学とは異なる倫理が関係する部分があるためです。これには少し説明が必要でしょう。
まず、経済学とは何かといえば、その中心は市場経済の解明です。市場経済とは、簡単にいえば、物品やサービスの売買を基本として社会的な分業がおこなわれる仕組みです。社会を大きな一つのシステムとすれば、市場経済は、その中で一定程度まで相対的に自律した一つのサブシステムとなっており、それ自身の固有の論理があります。このため、それを解明するべく経済学という分野が成立したともいえます。
そして、市場経済には倫理もあります。たとえば、市場では、ジェンダーやエスニシティなどによる差別なく全ての人が自由に参加でき、取引自体も公正に行われるべきであり、これは現在の市場経済の規範や倫理といえます。ただし、経済学においてそれが支持されるのは、人権という視点からではなく、社会全体で資源がむだなく使われて人々の満足度ができるだけ大きくなるためには何が望ましいのかという経済学的な視点によるものです。約束(契約)を守るとか、自己責任といったものも市場経済に親和的な倫理といえます。
しかし、一般的な倫理と市場経済的な倫理がいつも一致するとは限らず、むしろ両者が激突する問題も少なくありません。ここにあげるにはスペースがないのですが、私は、金融リテラシーの授業を担当している中で、そうした問題に向き合わざるを得なくなりました。現在は、社会システムにおける倫理の意味や個別の倫理的問題について検討しています。
金融リテラシーは経済学の範囲に入りますが、ただし経済学で説明できない部分があります。というのは、経済学とは異なる倫理が関係する部分があるためです。これには少し説明が必要でしょう。
まず、経済学とは何かといえば、その中心は市場経済の解明です。市場経済とは、簡単にいえば、物品やサービスの売買を基本として社会的な分業がおこなわれる仕組みです。社会を大きな一つのシステムとすれば、市場経済は、その中で一定程度まで相対的に自律した一つのサブシステムとなっており、それ自身の固有の論理があります。このため、それを解明するべく経済学という分野が成立したともいえます。
そして、市場経済には倫理もあります。たとえば、市場では、ジェンダーやエスニシティなどによる差別なく全ての人が自由に参加でき、取引自体も公正に行われるべきであり、これは現在の市場経済の規範や倫理といえます。ただし、経済学においてそれが支持されるのは、人権という視点からではなく、社会全体で資源がむだなく使われて人々の満足度ができるだけ大きくなるためには何が望ましいのかという経済学的な視点によるものです。約束(契約)を守るとか、自己責任といったものも市場経済に親和的な倫理といえます。
しかし、一般的な倫理と市場経済的な倫理がいつも一致するとは限らず、むしろ両者が激突する問題も少なくありません。ここにあげるにはスペースがないのですが、私は、金融リテラシーの授業を担当している中で、そうした問題に向き合わざるを得なくなりました。現在は、社会システムにおける倫理の意味や個別の倫理的問題について検討しています。
担当科目
共生のリテラシー /情経オムニバス /ICT活用実践特講 /金融 /日本経済論 /時事経済 /Glocal Seminar I・II /基礎演習I・II /課題演習I・II /卒業研究