Profile

専任講師
栗原 美紀
KURIHARA Miki
上智大学大学院総合人間科学研究科社会学専攻博士後期課程修了。博士(社会学)。上智大学アジア文化研究所特別研究員、総合人間科学部科研リサーチフェローを経て、2022年10月より現職。専門は社会学。主な業績に、「観光対象選択におけるSNSの役割:台湾・九份を事例として」(『年報社会学論集』29: 128-139)、「ヨガにおける身体的実践の意味:マレーシア・クアラルンプールでの指導実践を事例として」(『保健医療社会学論集』33(1): 46-55)など。
研究内容について
これまで私は社会学を軸として、主に2つの研究を行ってきました。1つめは、人が観光する意味についてです。日常の中できれいな風景の写真や映像を見て、「ここに行ってみたい!」と思ったことがある人は少なくないと思います。私はそうした写真や映像に着目しながら、人がどのように旅行先を決めるのか、また、観光経験がその人の価値観にどのような影響を与えるのか、考えてきました。
2つめはヨガの思想と実践の関係です。今日の日本では、ヨガといえばエクササイズが先に思い浮かぶ人もいるかもしれませんが、一方で哲学でもあり、その思想は近代科学・医療への「オルタナティブ」としてとらえられることもあります。私がヨガの研究を始めた最初の動機は、ヨガを通して医療と宗教の関係を考えたかったからなのですが、調査地となったマレーシアでフィールドワークを続け、たくさんのヨガ指導者たちと出会う中で、ヨガを実践する人々のものの見方自体に惹かれるようになり、現在はヨガの指導者たちが現代世界をどのように理解しているのか、また、彼らのような考え方はどのようなプロセスで獲得されるのかを研究しています。
これら2つの研究内容は、一見何のつながりもないように思えるかもしれませんが、観光とヨガに共通するのは、それらが「日常生活」から一度離れて「異世界」を経験し、今までの自分自身を振り返りながら新たなものの見方を模索する契機を、人々に与えることです。自分の中にある「当たり前」の認識に気付き、異なる視点・考え方を獲得するプロセスを知ることは、現代社会に必要とされている多様性の受容を実践するために大切なことだと考えています。
2つめはヨガの思想と実践の関係です。今日の日本では、ヨガといえばエクササイズが先に思い浮かぶ人もいるかもしれませんが、一方で哲学でもあり、その思想は近代科学・医療への「オルタナティブ」としてとらえられることもあります。私がヨガの研究を始めた最初の動機は、ヨガを通して医療と宗教の関係を考えたかったからなのですが、調査地となったマレーシアでフィールドワークを続け、たくさんのヨガ指導者たちと出会う中で、ヨガを実践する人々のものの見方自体に惹かれるようになり、現在はヨガの指導者たちが現代世界をどのように理解しているのか、また、彼らのような考え方はどのようなプロセスで獲得されるのかを研究しています。
これら2つの研究内容は、一見何のつながりもないように思えるかもしれませんが、観光とヨガに共通するのは、それらが「日常生活」から一度離れて「異世界」を経験し、今までの自分自身を振り返りながら新たなものの見方を模索する契機を、人々に与えることです。自分の中にある「当たり前」の認識に気付き、異なる視点・考え方を獲得するプロセスを知ることは、現代社会に必要とされている多様性の受容を実践するために大切なことだと考えています。
担当科目
観光概論 /地域と観光 /多文化共生社会 I・II /国際関係の歴史を知る /地域社会学 /海外フィールドワーク(マレーシア) /多文化共生社会 II /世界のフィールドワーク入門 /Glocal Seminar I・II /基礎演習 I・II /課題演習 I・II /卒業研究